ロードスターキャピタルと霞が関キャピタルとの違い

霞ヶ関キャピタルとロードスターキャピタルってどう違うの?という疑問を Twitter でちらっと見かけました。

霞ヶ関キャピタルといえば、 2021年8月末に上方修正を発表した後くらいから、株価が上昇し始め、10月の決算説明会の後に給湯。8月末の株価と比べると2倍以上になっている人気株。

2021年の売り上げは約140億円と、ロードスターキャピタル並み。 利益に至ってはロードスターキャピタルが大きく上回っています。

それなのに時価総額では、霞ヶ関キャピタル約386億円。ロードスターキャピタル約160億円(自己株式考慮後)。約2倍の差をつけて霞ヶ関キャピタルが勝っています。この差は何から生まれるのでしょうか?

似たような名前でしかも不動産業。違いは何か、ちょっと考えてみたいなと思ったので、改めて調べてみることにしました。

霞ヶ関キャピタルの概要

いつものようにバフェットコードからの引用です。

業績の伸びが素晴らしいですね。営業利益率が上昇しているのも良い点です。 ROE もぱらついてはいますが2年前は30%に近い値だったことも考えると、良いですね。

株価についてみれば、10月に決算発表を行った時から急騰。 今年の底値から3倍以上に膨れ上がっています。

霞ヶ関キャピタルの事業内容

では実際どのような事業を展開しているのでしょう?2021年8月期決算短信を見てみましょう。セグメントで見ると以下の二つの事業があげられます。

  1. 不動産コンサルティング業務(売上高約138億円、利益約29億円)
  2. 自然エネルギー事業(売上高約4.6億円、8.6百万円)

上記の比率の通り、不動産コンサルティング業務に注力しているようです。

では不動産コンサルティング業務とはどういうものでしょうか?

セグメント情報には以下のように書いてあります。

「不動産コンサルティング事業」は、主に不動産の取得、開発、売却、投資などに対するコンサルティング及びショッピングセンター運営を行っております。

文字だけだとちょっとイメージがしづらいので、決算説明資料を見てみます。

上にあるように、様々な物流施設や、 アパートメントホテル、保育園などの用地の取得・売却で利益をあげてきました。四半期ごとの累計売上高の推移を見てみると、綺麗に伸びていることがわかります。 

ただし、2020年頃から、コンサルティング型からパートナーシップ型への事業の切り替えを行っています。決算説明資料の中に、概略図が載っていましたので参照ください。

今までは、開発用地となる土地を取得して、 コンサルティング料をもらう、という事業が主体でした。 この授業の利点は開発にかかわるリスクなどを大きく負うことなく、コンサルティングフィーなどの安定した収益が得られることがメリット。

ただし、開発に対して投資するわけではないので、開発利益を得られるわけではない。資金を早く回収できるが、その金額はあまり大きくない。そこがデメリット。

それを来期から(正確には今季途中から)パートナーシップ型という事業に方向転換。 他の会社とJVを組み、開発利益を得ていこうというのが、今後のやり方。

よりリスクを取る、というわけですね。現時点で公開されている中期経営計画のイメージでは、2026年8月期に営業利益200億円を目指す、とあります。 

ちなみにこの中期経営計画が発表された頃から、株価は急騰しました。現在の PER は40倍弱。市場がかなり期待をしているのが分かります。

これまで見てきたように、霞ヶ関キャピタル主な事業内容は「不動産の開発・または開発に関わるコンサルティング」という風にまとめることができます。

ロードスターキャピタルの主な事業は「東京都心のオフィスビルの売買及びその賃貸収入」です(詳しくは過去のブログをご参照ください)。

ビルを安く買って、綺麗にして、高く売ると言うビジネスモデル。地方のビルよりも東京都心のビルの方が、長期的に見て価格が安定しており、投資に参加するプレイヤーも多い。

そのためロードスターキャピタルは、東京二十三区、それも都心のビルの売買に注力しています。現在のところ、用地の取得からビルの建設に至る開発案件には手を出していません。

同じ不動産業といえども、片方は開発メイン、片方はすでにできているビルの売買、ととなりますから、ビジネスモデルは大きく違います。ここがまず大きな違いですね。

ビジネスモデルの違いをどう考える?

ビジネスホテル単体で考えた場合、どちらのビジネスモデルが人気が出そうか、考えてみます。

まずは霞ヶ関キャピタル。不動産の開発事業ということで、夢があります。 まっさらな土地に、ホテルや物流の施設を設け、未来を描く。ある種クリエイティブな仕事といえます。

対して、ロードスターキャピタル。既存のビルの売買ということで、 風景が変わるというわけではありません。どちらかというと地味だし、実際どんなことをして仕事をしているのか見えてきません。

この辺りからも両者の人気の明暗が分かれているような気がします… 私立霞ヶ関キャピタルの PER は、株価急騰前でも15倍から20倍台でした。

不動産業にカテゴリされているにも関わらず、比較的高い数値を記録していました。

それに比べロードスターキャピタルは、現時点で PER 5倍以下、 コロナ前でも約10倍と、あまり人気がありません。

それでも IPO したての頃は20倍台を記録していましたが…やはり IPO後は徐々に注目度が下がってしまうことが多いでしょうかね…

文字数が多くなってきたので、一度区切ります。続きます。

コメント

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