世界倒産図鑑から学べたことをつらつら書いていきます。
ポラロイド
会社名 | ポラロイド |
創業 | 1937年 |
失敗の主要因 | デジタル技術に移行しなかった。 過去に成功した「アナログ」カメラに固執し続けてしまった。 |
失敗① | デジタル技術の成長速度を見誤っていた。 |
失敗② | 1980年代中盤、ポラロイド社のアナログカメラ「スペクトラ」がヒット。 アナログカメラで成長していけると考えた。 |
ポラロイド社はポラロイドカメラで有名。当社が倒産に至ったのは2001年。「デジタル技術についていけなくなったから倒産した」という内容で知ってる人も多いかと思います。
しかし、デジタル技術が発展していた1980年代、ポラロイド社はただ指をくわえていたわけではありません。ちゃんとデジタル技術を研究していたのです。
でも、
- デジタル技術の市場が未知数だったこと
- 彼らの売り物であった、「フィルム」の市場を奪ってしまうこと
- デジタル技術は品質がまだまだ粗悪だったこと
などにより、製品化に乗り出せませんでした。
加えて、1980年代中盤、ポラロイド社が開発したアナログカメラ「スペクトラ」がヒットしてしまったため、「デジタル技術なしで大丈夫」という考えが植え付けられてしまった。
さらに、 この頃のポラロイドは買収されるか否かの瀬戸際にありました。買収を阻止するために経営陣は忙殺され、他社に対抗する力を十分に蓄えることができなかったのです。
1990年後半のデジタル技術の普及によって、窮地に追い込まれたポラロイド社。2001年に倒産しました。
ポラロイド社の失敗から学べること
同社の失敗から学べるのは、「変化すること」の重要性。
当時のデジタル技術がいかに未知数だったとはいえ、今までやってきたやり方が「この先も通用する」ということは、ビジネスにおいてほとんどありません。
過去の成功体験は素晴らしいものです。が、それにとらわれすぎていると、自分が変化するきっかけを失ってしまいます。
新しい技術が出てきたら、「失敗を恐れず試してみる」。そうやって自分を変化させていくことが重要。
いつの時代も新技術は生まれます。常にアンテナを張り続け、変化し続けていかないと企業は生き残れないということです。
コダック
会社名 | コダック |
創業 | 1881年 |
倒産した年 | 2012年 |
なぜ倒産したか? | 1980年代から写真業界にデジタル化の波が押し寄せ、多くの競合他社がデジタルカメラ業界に進出し、コダックの競争優位性がどんどん失われていったから。 |
コダックは「良いカメラ」を作ることはもちろんのこと、「撮った写真のフィルム販売」で儲けられるようにビジネスを作り上げました。
カメラ本体を安く売って、その後のフィルム販売で儲けるスタイル。 プリンター本体を安く売って、インクで儲けるプリンター業界と似ています。
しかし1980年頃から、写真業界にデジタル化の波が押し寄せます。コダックも当然、デジタルカメラの試作機を作って対抗しようとしました。
しかし、過去の成功体験=「フィルムの現像代金で儲けられる」が頭から離れなかったコダック。デジタル化が進む未来においても「写真の現像」で儲けようとしました。そして、デジタル写真の保存用製品である「フォト CD」を商品化します。
しかしデジタルデータの記憶媒体は独自の進歩を遂げ、「フォト CD」 を売り上げるには至らなかったのです…
結局デジタル化の波に飲み込まれ、2012年に倒産を迎えました。
コダックの失敗から学べること
デジタル化の流れは、「コダックが一気通貫で行なっていた事業」をカンタンに壊しました。デジタル化によりハードはハード、ソフトはソフト。という別々の分野での戦いに切り替わっていったのです。このようなことを、「ビジネスのアンバンドル化」というそうです。
アンバンドル化(下)では事業が細かく分割され、競合他社がどんどん入ってくるようなイメージ。
そのような状況では、既存の「一気通貫で行なっていた事業」の考えを捨て、時代に対応しなければならなかった、と言えるでしょう。
でも、1980年で売上高100億ドル(1ドル=100円としても1兆円)の売り上げを誇っていたコダックですから、そこからビジネスを劇的に変えるという決断はかなり難しかったのも事実です。。。
投資家としては、時代の流れを読み取り、「企業が正しい判断をしているかどうか」を見極めて投資していかなければならないと感じます。
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