私は長期投資家です。長期投資家を名乗る以上、「人が陥りやすいバイアス」について深く学んでいきたいと思っています。
今回は「ステレオタイプのバイアス」に陥ってしまった人の発言を取り上げてみます。
女子ボクシングとサンデーモーニング
女子ボクシングに対する張本勲氏の発言が話題となっているようです。日本ボクシング連盟の会長が、張本勲氏が出演した TBS 系「サンデーモーニング」に抗議文を送りました。
張本勲氏の発言は「女性及びボクシング競技を蔑視と思わせる」連盟がTBSへの抗議文公開(デイリースポーツ) – Yahoo!ニュース
日本ボクシング連盟が張本氏の「サンデーモーニング」に抗議文 発言巡り – スポーツ
事の発端は8月8日のサンデーモーニングの放送。あっぱれと喝でおなじみのあのコーナー。女子フェザー級で金メダルを獲得した入江聖奈さんを話題としたときのこと。
張本氏はこうコメントしたそうです。
「女性でも殴り合い好きな人がいるんだね。どうするのかな、嫁入り前のお嬢ちゃんが顔を殴り合って、こんな競技好きな人がいるんだ。それにしても金だから、あっぱれあげてください」
2021年8月8日放送「サンデーモーニング」張本氏の発言
これに対し日本ボクシング連盟の内田会長は、サンデーモーニングに対し以下の記述を送ったと。
ボクシング競技が単純な暴力的な殴り合いでないこと、技術を駆使した競技であることをご理解いただき、また女性だからそんな競技に取り組むべきではないという、多様性を否定するような番組内でのご発言を、視聴者の皆様に対して、訂正をいただきたく、文書を発させて頂きました
日本ボクシング連盟内田会長抗議文
以上が抗議文が送られた経緯になります。
張本勲氏の発言…なんで?
私が考えるに、張本氏は「ステレオタイプのバイアス」を強く受けている人だと捉えています。
張本勲氏に感じるのは、「なんでこんな発言をする必要があるのだろうか?」という単純な疑問です。
ボクシングという競技があって、努力して金メダルを取った。その事実を受け止めて、単純にすごいことだから、「すごい、あっぱれ」で終わる話。
最終的には「あっぱれ」で終わっていますが、なんで一回ボクシングを貶める発言をしてしまったのでしょうか?
たぶん、「女性とはこうあるものだ」という考えが張本氏の頭の中にはっきりとあるのでしょう。具体的に言えば「女性は殴り合いをしない」とかいうもの。
個人がどんなスポーツを好きだろうが、そんなことは自由です。 この張本氏の意見は、人の自由を奪う意見だと考えることもできます。
また「また嫁入り前のお嬢ちゃん」という発言も気になります。女性が男性婿の「家に入る」という、 ある種の時代錯誤的な発言に聞こえます。
そして、「じゃあ結婚した後なら殴り合ってもいいの?ボクシングをしてもいいの?」という疑問も湧いてきます。
張本勲氏がどんなふうに考えているのかについては、張本氏の自由。だからそれについてとやかく言うことはないです。
ただそれを発言するかどうかに関しては、張本氏はもっと考えるべきだった、と言えます。
ステレオタイプのバイアスを克服する
ステレオタイプのバイアスを克服するにはどうしたらいいのでしょう?
カンタンです。常に自分の考えをに疑問をもてばいいんです。自分の考えに固執せず、「他の人がどう考えているか」常に考えていればオッケー。
もちろん正確にはわかりません。でも考え続けていれば、他の人の意見を吸収できるようになって、投資家としてさらに成長することができます。
「この株は今まで上がっていたから今後も上がる」とか、「いままで高いPERを維持していたからこの先も大丈夫」何ていう甘い言葉に惑わされず、
しっかり自分の考えをまとめて、さらにそれをアップデートしていって、さらに良い投資家になれるように努めていきましょう!
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