上場年数と不動産含み益その④

今回も上場上場年数が70年以上の企業をピックアップしていきたいと思います。

新家工業【7305】

1903年創業。溶接済鋼管や、各種加工品の製造販売を行っている会社。小径のパイプ作りも得意で、自転車の販売も行っています。

時価総額95億円程度。 PER 4.7倍と割安に見え、なおかつ配当利回りも3.8%あります。

保有する賃貸など不動産の簿価は約6億円。それに対し、期末時価は97億円と含み益が90億円≒ほぼ時価総額くらいあります 。

直近の成績を見てみましょう。 2022年3月期第2四半期の成績、営業利益は昨年の10倍以上となっており、 V 字回復を遂げています。

2022年3月期第2四半期決算短信より

損益計算書を見てみると、売上は昨年よりも10億円以上増えたのに対し、売上原価販売費及び一般管理費は前年とほぼ変更がありません。

2022年第2四半期決算より

本文中には、「普通鋼製品及びステンレス鋼製品の販売価格を引き上げできた」とあり、販管費などを抑えながらうまく価格に転嫁できたことが示唆されています。

世界的に材料価格の上昇や諸経費などのコスト上昇が進む中で上手くやれているようです。

どうしようどうしようか証券も70億円程度保有しており、現金も85億円程度あります。保有資産が時価総額を超える企業として、 監視対象企業に入れておくことにします。。。 

石井鐵工所【6362】

創業は1919年石油や LPG などのタンクを開発している会社です。現在は不動産賃貸収入を利益源としています。

現在の時価総額は額は約110億円。 保有する不動産の期末簿価は94.7億円に対し、期末時価では320億円と、含み益で220億円もあります。これまた時価総額よりも不動産含み益が多い会社となります。

2021年3月期有価証券報告書より

直近の成績を見てみると、2022年3月期第2四半期は売り上げは大幅に伸びていますが営業利益は横ばいです。

鉄構事業において売上は増加したものの 、営業利益が68.4%減(なお600万円)となってしまったことが主な要因だそうです。

対して不動産事業は、売上8.78億円に対し営業利益5.6億円と前年とほぼ変わらない成績。というかほぼ不動産業で成り立っているような状況です。

このような企業に投資するかどうかを判断するのはとても難しいです。。不動産の収入が安定的にあるのでひとたび本業で利益が出ればシャープな株価上昇が望めそうですが…

東京楽天地【8842】

設立は1937年。 映画業界の老舗ですが、現在は錦糸町での不動産賃貸が収入源。

同社ホームページより。

現在の時価総額は約240億円程度。保有する不動産は273億円、時価は585億円となっており、これまた不動産含み益が時価総額を上回っている状況になっています。

コロナによって映画の収入が少なくなり、去年は苦しい状態が続いていました。が、直近の2022年1月期第2四半期の成績は黒字に転換しており、 徐々に復調の兆しを見せています。

ここは人々の活動さえ戻れば、不動産収入と相まってある程度利益をあげてくれそうです。今後のコロナ次第では投資を考えてもいいのかもしれません。

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