【13年で株価12倍以上】イエローハットに何が起こった?インタビュー記事まとめ

投資家にとって「株価が10倍になる」という銘柄を見つけるのはひとつの夢だと言えます。

イエローハットは13年間で株価を12倍以上にした銘柄の一つ。

そんなイエローハット代表取締役社長、堀江康生氏のインタビュー記事が掲載されていましたので、紹介します。

イエローハット社長が語る、「経営危機から12期連続増収へ」V字回復した理由
新車販売が伸び悩む中、カー用品販売大手のイエローハットの業績が絶好調だ。かつては多角化の失敗などで経営危機に陥ったが、堀江康生社長に交代後は現在まで12年連続の増収を続け、足元3年は過去最高益を更新している。瀕死の会社をいかにしてV字回復したのか、堀江社長が全2回のインタビューで語り尽くした。

イエローハットってどんな会社?

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簡単に説明すると、「タイヤ(など)を売る会社!」最近はノリノリな CM でお馴染みです。まずは株価の推移を見てみましょう。

堀江氏が2008年に社長に就任した後、13年間で株価は12倍以上になりました。その要因は何だったのでしょうか?社長のインタビューからまとめてみると、

  • コア事業への資源集中
  • 車検サービス事業への資源集中
  • 経営効率の向上
  • 活力ある会社作り

がポイントだそうです。一つ一つ見ていきましょう。

コア事業への資源集中 

ホームページより

2008年まで経営の多角化で会社が安定していなかったイエローハット。2009年に堀江社長が就任した後、売上が大きく・ 利益も大きいタイヤを売ることに注力しました。 

また、事業の集中化で、「意味のない安売り」をやめさせたそうです。どんなことを辞めたかと言うと…

やっていたこと タイヤ販売の安売り 工事代金の無料
なぜやめたか 社員が楽をして売ることを覚えてしまうから。 工賃無料がゆえに作業も荒っぽくなるから。
どうなったか 社員のサービスの質が向上した。粗利率も大きく改善した。 技術サービスの質が向上した。顧客満足度が上がりリピーターが増えた。

企業が売上を上げるためにやりがちな、「安売り」「付属サービスの無料化」などをきっぱりやめた。

そうすることで、

  • 「安売りをせず、どうやったら商品が売れるか」
  • 「値段を高くしても、 お客さんに選んでもらうためにはどうしたらよいか」

ということを社員が考えるようになったのです。

企業の売上を上げるために、「値下げ」ではなく「高い付加価値をつける」ということを選択したイエローハットは、徐々に売上・利益を向上させていくことになります

車検サービス事業の拡充

第2の柱として車検サービスを行うことにしたそうです。車検サービスを行うメリットは、

  • タイヤやバッテリーなどの消耗品
  • 塗装保護するためのボディコーティング
  • 車体のキズへこみを直す系板金

などの「イエローハットが得意とする主事業の」売上につなげることができること。

また車検サービスは、「リピーターがみこめる」というメリットがあります。

車検サービスを一度選択したお客さんは、「他を探すのがめんどくさい」という理由から、イエローハットを選び続ける可能性が高いのです。

リピーターを設けることで売上安定させることができました。

経営効率の向上

堀江社長就任後、店舗の出店にもメスが入りました。その中でも特に力を入れたのが「居抜き物件に出店すること」。

「従来の出店方法とどんな違いがあるか?」について以下にまとめました。

  従来の方法 新たな方法
出店方法 土地を購入(or 借りる)後、建物を建てる 居抜き物件に出店
出店費用 建物:1億8000万円土地:3億円合計で約5億円。 賃料(年間):1800万円その他出店費用:3000万円合計4800万円 
出店条件 しっかりとした立地にしっかりとしたお店を作っていた 採算が取れるのならどこでも OK。 物件の大きさも気にしない。幹線道路沿いにもこだわらない。
メリット 収益がある程度予想できる。全店舗で同じようなレイアウトの店が作れる。 ・初期投資費用が安い・出店が早く行える・店ごとに特色を出せる
デメリット 初期費用がかかる。店舗の開店まで時間がかかる。

・店舗ごとににレイアウトを考える必要がある。(相応の努力が必要。)・出店をやめれば店舗は陳腐化していく。

堀江社長就任後、居抜き物件にバンバン出店していきました。 その結果2009年に国内店舗数が500店舗だったのが、2017年には810店舗まで拡大しました。

イエローハットの居抜き物件

「業界2位、変なプライドはない」イエローハットの出店戦略
カー用品国内2位のイエローハットの2020年3月期は、市場が縮む中で3期連続の増収増益となった。大型店から小型店まで柔軟に出店して店舗数でオートバックスセブンを引き離し、利益水準でも上回る。12年前の赤字から着実に業績を引き上げてきた。地味だが正攻法と言える取り組みが今、実を結んでいる。

どんな居抜き物件を選ぶかは、全然こだわらなかったそうです。自動車販売店・紳士服店・生協・コンビニなど…

売り場面積も安定せず、60坪~120坪と、幅がある状態となりました。

売り場面積が変わるということは、同じアイテムを同じだけ揃えることはできません。店としては売り場面積を全国で統一させ、 レイアウトを同じにしてしまった方が楽です

設計するのにも人件費がかかりますから…大手コンビニとかのレイアウトはほとんど同じですしね。

でもイエローハットは、あえてそれをしなかった。一店舗一店舗独自にレイアウトしたり、アイテムを変えることで、その地域の需要に合う店を作りました。

例えばイエローハット世田谷若林店では、富裕層が多い地域のため比較的グレードの高いタイヤなどの商品を充実させ、収益を向上しました。

反対に地方の車が主な移動手段となるような地域。そういう場所では軽自動車やコンパクトカー向けの比較的安価なタイヤを取り扱いました。

上記のように「オーダーメイド」な店作りをすることで、売上を伸ばしていったのです。 

「業界2位、変なプライドはない」イエローハットの出店戦略
カー用品国内2位のイエローハットの2020年3月期は、市場が縮む中で3期連続の増収増益となった。大型店から小型店まで柔軟に出店して店舗数でオートバックスセブンを引き離し、利益水準でも上回る。12年前の赤字から着実に業績を引き上げてきた。地味だが正攻法と言える取り組みが今、実を結んでいる。

活力のある会社づくり

堀江社長の就任前、低迷していたイエローハットは多くの社員が辞めていったそうです。

「社員の気持ちを前向きにしなければだめだ」と思った堀江社長は、社員を前向きにさせるために、

  • 居抜き物件でもいいから新規出店する
  • テレビコマーシャルを本格的に始める
  • 社員に給料をあげると公言する

といった施策を次々に発表していきました。 

堀江社長曰く、「流通業は出店数がが多くなると元気になる」。だから居抜き物件でもとにかく新規出店をおこなったたそうです。

コマーシャルにも同じような効果があります。店舗に来たお客さんに「コマーシャルを見たよ」といわれるだけでスタッフの元気が出る。

業績が回復する中でさらにテレビコマーシャルを増やしていくと、さらに元気が出るようになったそうです。

まとめ

イエローハットの取り組みから私が学べることについてまとめます。

  • コア事業に集中すること。経営の多角化を避け、規律の高い授業を集中して行う。
  • 無意味な安売りをしない。安売りは将来的に自分たちの首を絞める。
  • 自分たちの製品を売るために、サービスを増やしてみよう。イエローハットの場合は、「車検サービス」
  • 既存のやり方を疑ってみよう。「居抜き物件がいけない」って誰が決めた?
  • 業績が低迷していたら、社員の士気をあげよう。小売業なら、出店・テレビコマーシャルなど、社員のやる気を出す方法はある!

貴方はどんな印象を持ちましたか?

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