従業員増やしたくない…ロードスターキャピタル その32

何やら弱気なタイトルとなってますが、 今回は従業員を増やすことの是非についてを考えてみます。

私の保有するロードスターキャピタルの従業員数は2020年12月期で59名。

2016年から2019年まで毎年10名程度人数を増やしていきた同社にとって、2019年から2020年は2名増加と、増加数は少なかったのです。

2020年12月期有価証券報告書より

普通の企業なら、従業員の採用を少なくしたことで、

業績が悪化するから人件費を削減したのか?

みたいな考えもありますが、同社にとってはそうではないと思っています。

ロードスターキャピタルの主な事業は、不動産の転売事業(売上の約8割以上)。これは不動産知識が豊富な人たちが活躍できる事業です。

つまり知的生産性が問われる業種。人を増やしたからといって、売り上げが確約されるわけでもない、むしろ人件費が増えてしまって利益が圧縮される可能性もある。そういう業種だと認識してます。

もちろん不動産知識が豊富な人たちを集められるなら従業員が増えてもいい気がしますが、そういった人たちを見つけてくるのは時間がかかるし、コストだってかかります。

そして、ロードスターキャピタルは、マザーズでもトップクラスの平均給与なのです。

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ロードスターキャピタル有価証券報告書より

またロードスターキャピタルは年を追うごとに従業員一人当たりの営業利益率を向上させてきています。 

バフェットコードさんより

ちなみに、従業員一人当たり営業利益が7000万円というレベルは、スクリーニングにかけてみたところ、日本に9社しかありませんでした。

バフェットコードさんより

この少数精鋭の会社に適合する人材を見つけてくるのは至難だと思われます。今後も人材採用に関しては、少ない人数が基本となるのではないかと思います。

少ない人数で大丈夫か?

では従業員が少ない状態で大丈夫なのか?経営に問題はないのか?という視点で考えてみたいと思います。

ロードスターキャピタルの主な事業は上述の通り、不動産の売買。

私自身は不動産を所有したことはありません。ですが、不動産の売買に関する議論は、議論する人数を増やしたり減らしたりする必要はないと思います。

物件金額が大きかろうと小さかろうと、①立地は良いか?②テナントは見込めるか?③将来的に売却できそうか?などなど、考える事項は大差ないからです。

だから、少数精鋭で議論して、投資物件を決めた方が、一人当たりの利益は高まります。

また、優秀な人がたくさん集まったからといって、最適な回答が得られるわけではない。特に日本の企業では、その場の空気を大事にして、大多数の意見に流されがち。プラス、大人数では結論が出るのに時間を有してしまう。。

だからロードスターキャピタルのような少数精鋭の会社では、「少ない人数だからこそ」結論を早く出し、より良い投資機会を選び抜くことができる。

またロードスターキャピタルは近年不動産賃貸事業においての売上が高まってきています。

この事業に関しても、従業員が人が多ければ多いほど良い、というわけではなさそうです。

現在ロードスターキャピタルが保有する物件は25件。物件が大きいにしろ小さいにしろ、フロアの数が同じであれば、管理する手間はそれほど変わらないはず。今の保有物件数を保つのであれば、そんなに多くの従業員は必要ない。

従業員の採用を見送ることで一人当たりの営業利益を高く保つことがより良いと判断しているのだと思います。 

また上記:営利/従業員の金額が高いの9社のうち、3社が不動産業によって占められているのも、少数精鋭で利益が上げやすいという構造になっているということが伺えます。

従業員数という視点で経営を考えてみる、なかなか面白いです。

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