今回の記事では、私が個人的に「経済的な堀がある=競争優位性がある」企業だと思っている、ギフティの銘柄分析のまとめを行いました。参考になれば幸いです。
この記事のポイント!
- 長期投資に適しているか?企業について評価!
- 長期投資に欠かせない、経済的な堀があるかどうかがわかる!
- 現在の株価が割安か?PER・ROE・EPSの点から評価!
- ROE・EPSの実績から考える、5年後の株価予想!
ギフティってどんな会社?
ざっくり教えて!
カンタンに説明すると、「飲食店(等)において、商品と交換することができる電子チケットを作成・販売する」会社!
ホームページより!
もらって嬉しい商品券などを、「eギフト」にして、電子チケットとして取扱いできるようにしている会社です!
決算説明資料より
eギフトのメリットは?
- 直接お金を送ると野暮ったくなってしまう…でもeギフトなら手軽に相手に送れる!
- 企業が使うとコストを削減できる!
- コストを削減できるので、より多くの人に広報できる!
決算説明資料より
株価は?
多少の波はあるものの、おおむね右肩上で上がってます。コロナ禍で大きく下落しましたが、そこから3倍以上に値上がりしています。
企業セイセキは?
2019年に上場したばかりなので、データが沢山あるわけではありません。
読み取れる特徴としては、
- 創業以来、売上は右肩上がりで上昇している。
- その間、営業利益率が25%→35%と成長!
- 自己資本比率は60%。現金がたくさんある!
- EPS の成長率はここ3年間で平均80%超え!
- 配当は現在のところなし。事業に再投資している。
特筆すべきは営業利益率の高さ。eギフト市場は企業が少ないので、「実質市場を実質独占している」ことの裏返しなのでしょう!
企業評価
9つの項目から評価を行っています。長期投資に適した企業かどうか?が判断基準(独断)です。九角形が大きいほど、バランスの取れた良い企業、ということになります。
項目 | 点数 | 評価理由 |
業績成長性 | 10 | 昨年度はコロナかにも関わらず売上は74.4%増加した。今期も40%以上の成長を予想している。 |
財務健全性 | 6 | 自己資本比率60%。特に問題なし。 |
CF健全性 | 8 | 営業CFはプラス。投資CFでは無形固定資産の取得などを行っている。 |
配当・自社株買い | 0 | 会社の成長に全振りしており、今のところ配当はなし。自社株買いもまだ行われていない。 |
事業コスパ | 7 | 工場などを持つわけではないので、かかるのはほぼ人件費。2020年は事業の40%が外注費だった。 |
事業効率性 | 6 | ROE は10~14%台。 |
事業理解性 | 9 | 主事業はeギフトの開発・販売のためわかりやすい。 |
事業集中性 | 9 | eギフトの開発・販売に特化している。 |
インフレ耐久性 | 8 | インフレに伴い手数料収入も増加するため、耐久性はあると判断。 |
合計 | 63/90 | 素晴らしい事業を展開しており、成長している優秀な企業。 |
業績成長性
eギフトの市場流通額、発行企業数も順調に増えており、市場が拡大していることが分かります。
2021年12月期第2四半期決算説明資料より
同社の説明資料より、ギフト市場の規模は10兆円以上あると見込まれいます。
まだまだギフティの成長余地は大きいと言えます。
配当・自社株買い
配当も自社株買いも今まで行なっていないので、「0」としました。
しかしそれは裏を返せば、「事業成長に自信がある」ということ。成長のために自分にお金を使いたい!他のことにはお金使いたくない!ってこと。
「成長することが一番の株主対する利益となる」という考えなのです。
ですので、今配当にお金を使うよりも、自分の成長にお金を再投資する。「ギフティの成長力はまだまだ衰えない」と太田社長は判断しているのでしょう。
経済的な堀評価
この企業は「経済的な堀を持っているか?」ということを表しています。5角形が大きければ大きいほど、「ほぼ独占的な」企業であることを示します(独断)
項目 | 点数 | 評価理由 |
無形資産Intangible Assets | 7 | 同社のサービスは、じわじわと社会に浸透していっている。「デジタル商品券」といえばギフティ、となるぐらいまで成長できる可能性はあると思う。 |
乗換コストSwitching Cost | 9 | 一度 eギフトを使えば、何年間も続けて使うことになる。コスト面で有利だし、他に同じようなサービスがないから。 |
ネットワーク効果Network Effect | 8 | たくさんの人が eギフトの利便性に気が付けば、取り扱う人・店がどんどん増えていく。 |
コスト優位性Cost Advantages | 9 | 工場などを持つ必要がなく、オフィスで開発さえできればよい。 |
規模優位性Size Advantages | 9 | すでに国内において、独占的な地位を築いている。 |
とても大きな五角形になりました。「経済的な堀を持っている」と判断します。
乗換コスト・ネットワーク効果
企業が一度ギフティ社のeギフトを使い出すと、しばらく使い続ける傾向にあります。
なぜなら、「コストが全然かからないから」。ふつう企業が自分たちでプレゼントを発送しようとすると、
- 人件費
- 在庫管理費
- 発送費
などがかかってしまいます。でもeギフトなら手数料を払うだけですね。
例えば、「今株主優待でクオカード・商品券を送っている企業」が「eギフト」に変えたとすれば、どれだけの原価が削減できるでしょうか?
考えただけでもワクワクします。
今のところ競合と言える会社もないため、しばらく独占状態が続くのではないかと思います。
長期投資適性判断
長期投資に値するかどうかを、今までのEPS、ROEの実績、直近の PER で考えてみます。(独断)三角形が大きいほど、長期投資に適していると考えます。
項目 | 点数 | 評価理由 |
EPS:成長性 | 10 | 5~10%程度で安定して成長をしている。 |
ROE:効率性 | 6 | ROEは10%後半とそこそこ高い。 |
PER:割安性 | 2 | PERは100倍を超えている… |
成長性効率性を考えると素晴らしいものがあります。…が、いかんせん PER が高すぎます…!
成長性にかけてみるのも面白い気がしますが、ちょっと人気化しすぎているので手を出しにくい水準です。
5年後の株価予想
最後に、過去5年の ROE と EPS から、「5年後の株価がどうなっているか」予想してみました。※独断と偏見に基づくただの予想です!
上の予想は、ギフティがこれまで残してきた実績に基づくものです。
つまり、ROE と EPSの伸び率が今の状態を維持できるなら、5年後にはこんな感じの株価になっているだろう。という予想です。
今後もしばらく市場の独占は続くのではないかと思っています。すでに大手小売りがかなり ギフティのサービスを利用しているので。
ですが、IT の分野は成長が著しいので、競合他社が現れるかもしれません。
ただ、競合が現れたとしても、ギフティは「他の企業よりも先行メリットがある」。なかなか他の企業はおいつけません。
EPS の予想に関しては、今後も年率50%で売上が伸びていくのを想定した値なので、「今後も同じように成長していけるかどうか」が重要なポイントになります。
まとめ
以上から、私の独断と偏見による長期投資できるかどうかの判断は…
とします。事業内容は理解できるし、今後しばらくはギフト市場において、独占的な地位を築いていけると思います。
ただし現時点で PER は100倍を超えていて、「とてもじゃないけど投資できる水準ではない」と判断しています。
もしかしたら永遠に投資機会は来ないかも…
あなたはどう思いますか?
今回のまとめでは、以下の書籍の計算方法を参考にしています。(バフェット氏も判断基準の一つとしている「経済的な堀」の概念もわかりやすく書いてます!)
千年投資の公理ー経済的な堀についてわかりやすく解説!
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