データが多いほど、情報が減る?!
あなたは、データ収集をするとき、どのぐらいデータを集めますか? たくさん集めれば集めるほど、求める結果が良いものになっていくと思いますよね?しかし投資においてはそうじゃないようです。
ニューヨーク大学教授のアスモス・ダモダラン氏によれば、企業が見せるデータの数が多ければ多いほど、混乱を招きやすいとのこと。
こちらのサイトで詳しく説明されています:開示の厚みはバリュエーションと比例する:アスワス・ダモダラン
また原文(英語)をお読みになりたい方は、こちら:Disclosure Dilemma: When more (data) leads to less (information)!
ざっと読んだことを書いてみます。
企業は新規上場する時に、投資家に投資してもらうため、情報開示を行います。それを目論見書と呼ぶのですが、時代が経過すると、目論見書もどんどん分厚くなっていくようです。
- 1980年の Apple の目論見書は73ページ
- 1986年の Microsoft の目論見書は69ページ
でした。一方近年の上場企業では、
- 2012年の Facebook の目論見書は150ページ。
- 2019年の Uber の目論見書は285ページ。
なんと2倍~3倍になっています。
これが何を引き起こしたでしょうか?より多くの情報が書かれたことで、投資家にとってプラスのような気がしますが…
この教授の見解によると、投資家にとってマイナスになったのではないかとのことです。
なんで?情報がいっぱいあれば、それだけ判断材料が増えるし、投資の確度もどんどん上昇していくんじゃないの?だから投資家にとってプラスなんじゃないの? と思ったりもしますが、
教授によれば、情報過多によって、投資家の「読もうとするチカラ」が減衰してしまうようです。情報の波に呑まれてしまって、情報に溺れてしまう。そして泳ぐ力を失ってしまう。
これは現代の社会にも言えそうです。
インターネットによって、
- 誰でも
- 簡単に
- 素早く
- 大量の
情報にアクセスできるようになりました。これ自体は素晴らしいことです。でも人間の脳自体は、昔とそんなに変わりありません。 容量が増えたわけでも、処理速度が上がったわけでもありません。
ですのでほとんどの人は、
- どんなことが重要なのか
- 自分にとって重要なものは何か
はっきりしないまま膨大な情報の波に飲み込まれてしまう、そんなふうにに感じます。
投資も同じで、たくさんの企業を浅く知っているよりも、自分の詳しい範囲での企業を深く知っている方がより多くのリターンを得られたりします。
自分が理解できる企業にだけ投資をする。ウォーレンバフェットも実施していることです。(彼は数多くの企業を深く知っていますが)
また情報は単純なほど良い。より判断がしやすくなるから 。逆に情報が複雑だと、自分の予想や不確定要素が多くなるため、よくない。
この点に関しては、頭の良い人ほど、難しい事業に投資したりしがちです。多分私なんかよりも、企業について理解できるところが多い。その結果、複雑な事業かつ将来性のある(ようにみえる)会社に投資したりするのでしょう。
でも複雑な事業は、 複雑である分不確実な部分が多い。だから当初思い描いていた未来が起こらない可能性もある。
ものすごく頭がいいのに、投資を失敗する人は、この不確実性により損をすることが多いそうです。
私は確実なものに投資したい。より単純で実現する可能性が高いそんなものに投資したい。私もその投資原則を守って、投資を続けていきたいと思います。
あなたはどうですか??
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