上場年数と不動産含み益その③

今回も上場上場年数が70年以上の企業で、有形固定資産が時価総額以上の企業をピックアップしていきたいと思います。

武蔵野興業【9635】

1920年創業。当時は映画興行を目的とする株式会社武蔵野館を設立したのがきっかけ。

ですが今は不動産の収入がメイン。自動車教習最近伸ばしてきている様子です。 

現在の時価総額は22億円。それに対し保有する不動産の簿価は43億円。期末時価は107億円もあり、含み益は64億円もあります…時価総額の3倍…。

先ほども書いたように、 現在の事業不動産賃貸経営。 不動産利益率は60%以上あるのですが、いかんせん販管費が大きく、 なかなか大きく利益が上がらない状態です。

有価証券報告書より 

販管費の中でも役員報酬がかなり重いような気がしますが…ここもう少し下げれたら、損益計算書もかなり見栄えが良くなると思うんですけど!

ただしこの会社はオーナー企業なので、 自分たちの給料を下げる方針はなかなか取らないかなと想像します。

不動産の価値が見直されて購入されれば面白いと思いますが…

ダイドーリミテッド【3205】

1879年創業。すごいですね、130年以上前の創業です。衣料を主な事業としており、ニューヨーカーなどのブランドを持っています。

ホームページより。

時価総額は現在52億円。賃貸など不動産の帳簿価格は37億円ですが、期末時価は280億円あります…含み益だけで240億円。。時価総額のおよそ5倍です。。。

さらにさらに賃貸など不動産として使用される部分の不動産の簿価が7.6億円。その期末時価が66億円なので、さらに含み益は膨れ上がります

これは半端なく安いのでは… 

同社有価証券報告書より

同社が残念なのは、主力事業の衣料部門で全く利益を残せていないこと。

2022年3月期第2四半期の成績も芳しくないですね…今年も純利益はマイナスとなってしまいそうです。

自己資本比率も24%と、借入が多いのが現状。そろそろ抜本的な対策をしないと、 買い叩かれちゃうかもしれません。投資家としてはそこが狙い目なのかもしれませんが。

それにしても時価総額50億円に対して含み益250億円以上とは。いくらなんでも。。。

日本フエルト【3512】

創業は1917年。創業後100年を超える企業です。紙パルプ用フェルトの国内市場をイチカワと二分する企業であり、工業用繊維製品(バグフィルター)などを扱う企業でもあります。

時価総額は83億円。また保有する不動産の簿価21億円に対し、期末時価は89億。含み益が68億円もあります。

また不動産の含み益意外にも、投資有価証券において取得原価を回る差額があり、こちらもかなり評価できると思います。

同社有価証券報告書より。 

それでいて自己資本比率を75%を超えていますから、 かなりの優良財務。 83億円出せば、80億の不動産+53億円の投資有価証券がついてくる。まさにお買い得ですね。

2022年3月期第2四半期の成績も好調で、売上が前年とほぼ変化ないにも関わらず、 営業利益は2倍以上となっています。

2022年3月期第2四半期決算短信より

決算短信を見る限り、売上原価を抑えたことが主な要因ですが、なぜ抑えられたのかについては分からずじまいです。。。 

2022年3月期第2四半期決算短信より。

ちょっとした感想

なんかちょろっと探すだけで割安だと思える銘柄がごろごろ出てくるんですけど… 日本には資産価値以下の銘柄がたくさんあると言う基礎情報知っていたのですが、こうも資産バリュー株がたくさん出てくるとちょっと心配になるほどです。。。

個人的にはダイドーリミテッドが気になります。本業は赤字ですが、保有する不動産を(おそらく)担保にして、短期借入金や長期借入金を借りて何とか経営しているという印象です。

大手ファンドあたりが目をつけて、経営改善などを行っていけばちょっと面白くなりそうだなとなんとなく思いました。

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