nhk出版新書さんが出している、
知の逆転という書籍が大好きで、
もうかれこれ10回以上は読んでいます。
この本は、
世界トップクラスの専門家にインタビューする
かたちをとっていて、
その人たちがどのように考えているかを垣間見ることができます。
出版は2012年12月とけっして新しい本ではないのですが、
彼らの考え方は決して廃れることはなく、
現代の私たちに世界とは何か、考えるきっかけを教えてくれます。
書籍は「銃・病原菌・鉄」という書籍で知られる、
ジャレドダイアモンド氏
のインタビューから始まります。
世界で発展した国・しなかった国の差とは何か?
この貧富の差はなぜ生まれたのか?
を、主に地理的な視点から考察していき、
新たな視点から世界を考えたのが「銃・病原菌・鉄」です。
知の逆転でも、一部触れています。
一部紹介したいと思います。
アフリカ大陸が最も貧しい大陸であるのは、
それ全体がほぼ熱帯気候であるからで、
熱帯地方には公衆衛生上の問題やマラリア黄熱病といった病気、土地が不毛であることなど、いくつもの大きな問題があります。
アフリカの土地は日本の土地に比べてはるかに不毛で、今後も将来にわたってこの事実は変わらないでしょうし、またアフリカは公衆衛生面で、常に日本より多くの問題に対応していかなければならないでしょう。ですから現時点でも地理的な要素こそがアフリカが貧窮である大きな理由を占めているのです。
民族的な能力の差ではなく、
地理的な利点の差が、発展に大きく関わっている。
そう言っています。
これは企業と経営者の関係にも似ています。
バフェットは、
競争が激しかったり、
差別化が難しかったりする環境において会社を運営するのは、
どんなにスゴ腕の経営者が経営しても、ほとんどの場合、上手くいかない。
大きな利益を上げるのは難しい。
と言っています。
アフリカでお米や野菜を育てるのが難しいのと同じように、
「競争が激しい環境では企業を育てるのが難しいから、投資においては簡単に利益を得られる環境をまず選ぼうよ」
「その方がすごい優秀な人が働いている会社を見つけるより簡単だよ。」
と言ってるわけです。
アフリカで野菜やお米を育てようとしている人はたくさんいて、その人達は本当に尊敬に値します。
でも、モノを育てるのがかなり難しいという事実は、今後もかなり長い間、変わらないでしょう。
社会においても同様で、
競争の激しい分野は企業が育ちにくい、
もしくは大きな利益をあげられない環境にあり、
それは今後もあまり変わらないでしょう。
ですから、私は投資においては、
まず企業が置かれる環境がどんな感じかを調べます。
具体的には競争が激しくないような事業環境ですね。
それを選んで投資していきたいものです。
コメント