今までIFRS(International financial reporting standards:国際財務報告基準)についてはあまり気にしてきませんでした。理由は、保有銘柄が日本の会計基準に基づいた報告書を用いたものが多かったためです。
しかし、すでに日本の上場企業の4割がIFRSを用いた会計報告を行っている、という事実もあり、何れ勉強しないといけないんだろうなーと思っていました。
そんな中、最近新しく登場し始めたデコルテHDがIFRSを採用していますので、これは勉強を始めないといけない!と思い、少しずつ学んでいる最中です。
IFRSを学ぶ中、わかりやすい解説を行っているVoicyを見つけましたので、紹介させていただきます。
ブリッジコンサルティンググループ:今さら聞けない!?IFRSの基礎の基礎〜全体構成と主な特徴〜
ブリッジコンサルティンググループは 企業の経営や会計について支援するコンサルティング会社です。

上記Voicy でIFRSについてわかりやすく話されていたので、自分なりにまとめたいと思います。
IFRSの特徴
IFRSの特徴として挙げられるのは以下の三つになります。
- 原則主義
- 資産負債アプローチ
- 公正価値重視
原則主義というのは 原則的な会計処理の方法のみが規定されていて、細かな取り扱いは設けない主義、という意味です。
これに対応するのが細則主義。米国会計基準などのように細かな規定を定める主義。
資産負債アプローチは、企業の持つ資産負債をできる限り正確に把握して、企業の価値などを財政状態計算書で把握しようという考え方。
そして、資産負債の価値を出来る限り正確に把握するためには、出来る限り時価を持ちましょう、という考えで生まれたのが公正価値重視という考え方。
これらの背景には、IFRSが財務諸表利用者のうち、投資家を最も重視していることがあげられる、とのこと。投資家フレンドリー(?)な会計制度だということです。
日本の会計基準では収益・ 費用アプローチが基本です。なぜ資産負債アプローチが必要なのでしょうか?
以下のサイトが詳しく解説していたので、紹介しておきます。

「収益・費用アプローチ」重視の時代
第一次産業革命以降、伝統的な製造業が支配する社会では、本質的には、投下した資本(在庫、固定資産等)が一会計期間(フロー)にどれほどの利益を生むのか、すなわち、投下資本の回収計算としての利益情報が重視されるため、「収益・費用アプローチ」はまささにそのようなニーズに合致した利益の測定方法といえました。
なぜなら、企業の経営者は、株主等に対して、株主等から提供を受けた資金によって、一会計期間(フロー)にいくら儲けたのかを報告する必要があったからです。
「収益・費用アプローチ」から「資産・負債アプローチ」への転換
では、なぜストック重視の「資産・負債アプローチ」が登場したのでしょうか?
産業構造の変化にともなって、製造業から金融業等が産業の中心となる社会では、もはや「収益・費用アプローチ」では、企業のパフォーマンスを適正に測定することが難しくなってきます。
なぜならば、これらの社会においては、投下資本の回収計算によって利益を獲得するだけでなく、高度に発展した金融市場のもとで、企業が保有する金融資産及び金融負債の公正価値(時価)の変動によって利益を獲得することが可能になるからです。
すなわち、企業が保有している金融資産(負債)を金融市場で売却することにより、企業はいつでも利益を獲得することができるのです。
IFRSの「資産・負債アプローチ」の本当の理由をご存知ですか?より転載
製造業などでは投下した資本に対して、どれほどの利益・キャッシュフローが生まれるかが重視された。一方、近年発展している金融業においては、 会社が保有する金融資産の時価(の変化)によって利益を獲得することが可能になってきた。
これら時代・企業の儲け方の変化が生じてきたことにより、生まれた制度だということがわかります。会計基準も、時代にあわせて変化していく必要があるんですね…
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