【読んだ本】 ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること

投資に関する書籍を読みましたので、その感想を書きます。

どんな本?

タイトルは「ずば抜けた結果の投資のプロだけが気づいていること」。投資のプロは個別銘柄の選択をどのように行っているか、その考え方について書かれた本です。 2017年発行。

どんな人が書いたの?

著者は苦瓜達郎氏。東京大学経済学部卒業。大和住銀投信投資顧問のシニアファンドマネジャー。 2003年から中小型株ファンドの運営に携わっているそう。

以下には、この本で印象に残った文章を紹介します。

投資スタンスについて

割安株に投資した場合、もし「すぐに株価が戻りそう」と思えるようなら、それは「何かがおかしいのでは?」と考えるべきでしょう。 

今にも株価が上がりそうなのに割安のままに見えるということは、株価を引き下げている理由にあなたが気づいていないだけで、実際には割安とは言えない可能性が高いと考えられるからです。

第1章 株式市場とは何者なのか より

株式投資においては、「自分が絶対正しい」と思わないことが重要だと思っています。常に自分を疑うということ

過去に私も、「この株の株価はすぐに戻りそうだ」という期待から、塩漬けした株がありました…※失敗談参照。

苦瓜さんが言うように、 短期的な株価の戻りは気にせず、「いつ来るか分からない株価上昇を待って、ひたすら我慢する」という投資スタイルの方が、割安株を保有するスタンスとしてはいいのかも。

割安度の指標は  PBR ではなくPER

私見を述べれば、企業はビジネスのリスクに応じたお金を確保したら、残りは全て株主に返すのが正しい経営の在り方ではないかと思っています。

しかし、(中略)多くの企業は、本来株主に返すべきお金を溜め込んで、「内部留保」を増やしているわけです。 

第二章PBR ではなく PER を重視する理由

PER と並んで PBR は株式の割安度を示す指標として有名です。でも苦瓜氏はPBRを重要な指標とは考えていないそうです。

それはなぜか。私なりに解釈すると、

「 PBR って企業が解散した時に株主に分配される純資産をもとに計算してるでしょ?でも企業が解散することってほとんどなくない?じゃあ意味なくない?」

「日本の企業って内部留保してるとこ多くない?本来株主に返すか、再投資に回すべきじゃないの?」

「そもそも純資産の数字と株価を見比べるだけだから、プロとしての手腕を発揮できる余地あんまりないんだよね」

ということにまとめられそうです。確かに純資産が多い会社は投資先として多少なりとも安心はできますが、それだけで割安というのはちょっと心もとないかも。

苦瓜氏はPBRに対してPERを重要視しています。基準としては、

「高成長企業ではないものの、のびしろはあってそんなにリスクがない安定成長銘柄」の場合、基準となる PERは15倍!

これは過去26年の経験(2017年執筆当初)の経験から来る結論だそうです。 

苦瓜氏の26年の経験には、「91年のバブル崩壊直前に PER 50倍とか100倍とかの銘柄がゴロゴロしていた時代」「98年のアジア通貨危機以降、 PER が一桁台の銘柄も出てきた時代」

などが含まれます。そんな経験豊富なファンドマネジャーが定義した基準なので、ある程度の信憑性はあるのではないかと感じます。

私の保有する銘柄なら、三協フロンテアは伸び代があり、かつ安定成長の銘柄で、現在の PER は10倍程度。基準に照らせば、まだまだ割安と言えるのではないかなーと思うけど、実際のところどうなんでしょう。

また「例外的な高成長企業」の場合、50倍程度で計算することもあり得ると。この50倍は苦瓜氏の基準では、上限ギリギリの数値。

いかに成長企業でも、 PERが50倍を超えるとなると、ちょっと先が読めません。。。

私は過去に「ギフティ」という会社に投資したことがありますが、投資し始めたのは PER は50倍だった時。

握っていた当時、株価が乱高下し、 気持ちが落ち着かない日々が続いたので売ってしまいました。が、今では PER 100倍以上を維持しているのでなんだかよくわからんなあ。という感想しか持てません。

この方の結びでは、「理論的に正しいと断言はできません」と正直に書いてありました。 PER をもとに株価を考えるのは、 やはり経験がモノをいうセカイ。。まだまだ私も経験を積んで自分なりの基準を作って行かなきゃなぁと感じます。

主戦場は中小型株

中堅企業は全体像が把握しやすく、「伸びている事業は何か」「その要因は何か」といったことも明確なことが多いといえます。

2章 主戦場は中小型株より

この点は私も同じように思います。大企業って、 やっぱり多くの事業を展開していることが多くて、調べることも多いしなにより複雑です。

ことが複雑になれば、それだけ不確定要素も増えます。不確定要素が増えれば、ミスも増えます。私は特に頭が良いわけではないことを自覚しているので、ミスを減らしたい!

だから大企業ではなく、中小企業をメインにこれからも投資していきたいと思います。 

中小型株のメリット

最後に、中小型株に投資することについてのメリット・デメリットに関してまとめてみます。

メリット

  • 企業の全体像が見えやすい:分析しやすい
  • 知名度が低いだけで割安で放置されていることがある
  • 誤解されているだけで割安になっているケースもある
  • 大企業に比べて機動力がある
  • 市場規模が小さく、ニッチな独占企業もある

デメリット

  • 情報が手に入りづらい
  • どんなに良い企業でも気付かれるまで株価は上昇しない

まだまだありそうですが、あくまで本の内容をまとめただけなので、今回はこのぐらいで。 

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