昨日の記事とも関連しますが、では不正会計を見抜くには決算書のどの部分に注目すれば良いのでしょうか?
結論から言うと、絶対にここだ!という箇所はありません。笑 なんなら見抜くことだって会計士でも難しいのに、素人が見抜くなんてまず無理でしょう。
ただし「利益はある程度操作できる」。そのような知識は持っといて損はないはずです。その前提に立って企業の決算書を見ることができれば、もしかしたら粉飾決済をしている企業を避けることができるかもしれません。
じゃあどこが操作しやすいのか?以下で少しずつ見ていきます。なお以下の項目は、「決算書がスラスラわかる 財務三表一体理解法」國貞克則著をベースに書かれたものです。
この本は2007年に初版が刊行され、決して新しいものではないです。しかし完全に門外漢の私が会計について考えられるようになったのも、この本がきっかけです。興味のある方は是非読んでみてください。
開発費を繰延資産として計上する
基本的に開発費は費用として計上され、その期の利益を押し下げます。しかし開発行為の成果は一般的に将来に現れます。
そこで開発費を「繰延資産」計上します。するとこの資産は5年間にわたって償却していくことになり、その期の利益を押し上げることができます。
結局は払っていかないといけないんですけど。ただひどい会社になると、繰延資産を計上したまま償却を行わないケースがあるそうです。さすがに上場企業でそんなことをしている会社はないとは思いますが…
社長への短期貸付金
役員報酬を一気に減額すれば、そのぶんだけ費用がなくなるので、利益を押し上げることができます。例えば社長の報酬をゼロにするとか。
ただし社長もお金は欲しい。そこで企業から社長へ「短期貸付金」として融資を行えば損益計算書の費用として計上せずに、貸借対照表上のお金の動きだけで済みます。
そうすればその期において社長の報酬を費用計上しないので、利益を押し上げることができます。
なので、銀行などにとっては、この「短期貸付金」という項目が注意しないといけない項目だそうです。先日紹介したアルデプロの 貸借対照法上にも長期貸付金という項目が12億円ありました。ちょっと気になります。(不正会計をしているだなんて言うつもりは毛頭ありませんが。)
そもそも、
- 開発費を繰延資産計上する
- 社長や役員に短期貸付を行う
ということは法律に触れることでもないですし、ちょっと利益を操作できるぐらいのものです。多分。上場企業においてはこの程度の会計操作で経営が傾くとは考えにくいですね。
架空売上と過大在庫

例えば3月末の決算期に取引先に行って、「4月にキャンセルして結構なので、3月末までに商品を購入したことにしてください」などとお願いすれば、当期の売上を水増しすることができます。
その時は、 BS 上の「売掛金」の金額が増えることになります。
また、期末に在庫を多く計上すれば、その日の売上原価が下がって利益が上がります。在庫は期首と期末の数量を平均しますから。
先日見た、グレイステクノロジーの決算書の中にも、今思えば不自然に「売掛金」が倍増している期がありました。不適切会計の結果がわかるまでは何とも言えませんが、架空の売上を計上していた可能性があります。
本書の中でも、
単年度だけの財務諸表では難しいかもしれませんが、同じ会社の財務諸表を2年文当たっていけば、おかしな会社は必ず何らかの「サイン」を出しています。
と書いています。
このことからも、企業の分析をする際は3年なり5年なり10年なりの決算書、有価証券報告書を見ることが必須だと言えます。
私は会計の専門家ではないですが、何社もの決算書を見ていくことで、それなりに数字を見る力がついてきていることを実感しています。
とはいえまだまだ素人の域を出るには勉強が必要だと思っています。
このブログを通して自分の会計力を高めていけたらと思いますので、間違いなどと発見された場合は教えていただけると幸いです。
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