上場年数と不動産含み益その②

今回も上場上場年数が70年以上の企業で、有形固定資産が時価総額以上の企業をピックアップしていきたいと思います。

ヤマタネ【9305】

1937年創業。当時の社名は辰巳倉庫株式会社。 現在は物流関連事業・食品関連事業・情報関連事業・不動産関連事業を行なっています。

PER9.5倍、配当利回り3.6%と、かなりお得感はあります。売上高の成長はここ10年ほとんどありませんので、配当狙いの銘柄になるでしょうか。

2022年3月期第二四半期決算説明資料より

ちなみに配当は「累進配当」を掲げており、少なくとも創業100周年となる2024年までは、増配がみこまれます。

創業が長いこともあり、保有する不動産の賃貸収入がかなりの利益を占めています。 不動産の賃貸収入のり利益率もやはり突出して高い。これだけでも授業は安定しそうですね 。

気になるという不動産の時価はと言うと…

2021年3月期有価証券報告書より

期末残高326億円に対して、444億円の時価。120億円の含み益となっています。さらにその他の不動産においても80億円の含み益があり、この二つを合わせると時価総額を上回ります。

巣ごもり需要の落ち着きもあり今期の業績もあまり振るわないようなので、投資するならタイミングを上手く見極めたいところではあります。

美濃窯業【5356】

創業は1918年。耐火性のレンガを製造する目的のため会社設立。 現在も耐火レンガや不定形耐火物販売を主としています。

2012年3月期中間期株主通信より

時価総額40億円に対して、保有する不動産の期末時価は68億円。含み益だけで約40億円あるので、時価総額とほぼ同じ。

配当も3.9%あり、業績は安定、月5年前よりも収益力はだんだん上昇してきているので、今後も緩やかに株価は上昇する可能性があります。ただし、名証二部銘柄とあり、めったに注目されることはありません。 。。

倉敷紡績【3106】

創業はなんと1888年。 繊維事業・化成品事業等を営む会社です。

130年以上も続く老舗とあって、 持っている不動産だけで6割以上の利益額を誇ります。。。 逆に主事業である繊維事業は、利益をかなり圧迫しているようです。

直近の2022年3月期第2四半期決算では、業績はきわめて順調であることを証明しました。

相変わらず繊維事業は赤字ですが、売上高に対する営業損失は改善傾向にあり、(前期売上197億円、営業利益-11億円:今期売上192億円、営業利益-4億円)今後さらなる収益性の拡大が望めるかもしれません。

そして気になる不動産の時価及び含み益は、期末残高簿価約95億円に対して、期末時価約560億円…含み益約460億円!! 

9億円程度前期末から減少しているにも関わらず、含み益は30億円も増えています…! 

ちょっとしたまとめ

今回も不動産の含み益が時価総額に匹敵する、もしくは時価総額よりも高くなっている企業を取り上げてみました。

創業が古ければ古いほど、含み益も大きくなっている印象があります。 「日本株で掘り出し物を見つける」という観点で見れば、創業年度は重要なファクターとなり得ることがちょっとずつ見えてきた気がします。

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