三協フロンテアと競合他社の比較

バフェットコードの機能を用いて、保有銘柄の競争優位性などについて考えてみたいと思います。今回は私が保有する三協フロンテアと、その競合であるナガワ、東海リースの比較を行います。

即結果を見てみましょう。

時価総額、PER、PBR、配当性向

時価総額:ナガワが群を抜いて高いですね。PERも高いです。 PER が高い理由はとして考えられるのは、ナガワのIRの良さ=認知度の高さ。

四半期ごとに決算説明資料を出している点、 決算説明動画なども出している点は非常に良いことと思います。 三協フロンテアも是非見習って欲しいところではあります。

大株主に占める機関投資家・銀行の数も、30%を超えており、一定の評価を受けていると考えられます。

ナガワ2022年3月期第二四半期報告書より

PERxPBR: グレアムのミックス係数。22.5以下であれば割安であるとされていますが、日本の 企業の PBR は1倍を下回る企業も多いため、もうちょっとシビアな見方をした方が良いと思ってはいます。

その点では東海リースが低い値です。。それもそのはずで、PBRが0.4倍と、日本の企業全体の中でもかなり低い値です。市場から評価をされていないと言ってもいいかもしれません。

配当利回りが高いのも東海リース。ただし株主資本配当率では三協フロンテアが一番。

株主資本配当率 = 一株あたり配当金 × 株式総数 ÷ 自己資本 

であるので、自己資本に対して配当金支払いが良いのは三協フロンテア、となります。

最も株主のことを考えている、とも言えそうです。ただ、三協フロンテアの大株主は長妻社長の一族です。社長の家族だけで6割以上の株を保有しています。

となると配当が増えるのも納得がいくでしょう。現在のところ配当性向は35%程度で安定しているので、これが今後変わるかどうかもチェックしていくところではあります。

ナガワは株主優待として100株保有すると1万円のクオカードを進呈と、一見配当利回りは良いように感じますが、実際は3社の中で一番低い。。

そもそも株主優待制度は株主に対して平等ではないので、 もっと他の株主還元策があるのではないかと思うのですが。。。まあ、保有株ではないのでいいですが。。。

主要業績

気を取り直して先へと進みます。売上総利益率でみると、三協フロンテアとナガワはほぼ同じ。東海リースだけが苦しんでいるようにも見えます。 

東海リースはこの売上総利益率を改善できれば、現在割安に放置されている株価も相まって、爆発的に伸びていきそうですが…そうなれば投資の対象にもなりうります。

販管費/売上比率で見ればこれまた三協フロンテアとナガワはほぼ同じ。東海リースだけ低いです。効率的なのかもしれませんが、裏を返せば、営業の人員をあまりかけれていないのかもしれません。

営業利益率では、三協フロンテアがナガワをやや上回っています。販管費売上比率と併せて考えるのであれば、営業(人に)にお金が使えれば使えるほど、利益が上がっていく業態と言えるのかも。

事実、三協フロンテアもナガワも今期予想は増収増益です。また東海リースのみ、営業利益に占める支払利息が大きいです。 資金効率は大丈夫でしょうか?

従業員一人当たり営利、ROE

従業員一人当たりの売上・利益共にナガワがトップ。際立つのは東海リースの従業員一人当たりの営利の低さでしょうかね。

ROEは三協フロンテアが12.3%でトップ。日本の企業平均よりも高いですが、米国の企業平均と同じぐらい。って考えると、そこまで魅力的とは言えないのかも知れないですね。

総資産回転率を見ると、どの企業一回転に満たない。 どの企業も抱える資産額が多く、回転率を上げる経営は難しそう。

となると、ROEを成長させるためには

  • 純利益率を向上させる
  • 財務レバレッジをかける

上記二つのどちらかになるという事です。財務レバレッジを一番効かせてるのは東海リースですが、純利益率は2.3パーセントとかなり低い水準。

ナガワは借金をほとんどせず、ほぼ財務レバレッジをかけてません。三協フロンテアが一番バランスが良い状態、と言えます。

債権・債務回転日数・運転資本

ナガワの売上債権回転日数が長いのが気になります。売掛金の回収に3か月。製造業では2ヶ月が目安とされていたりするので、少し長い。ナガワが現金を溜め込む理由はそこかもしれません。

棚卸資産回転日数=在庫の回転日数はそれほど変化ないですね。

仕入債務回転日数は三協フロンテアが短いですね。現在は業績が好調ですし、「三協フロンテアの支払いの気前の良さ」を表している結果かもしれません。逆に東海リースは期間が他社に比べて長いので、支払いに窮しているのかもしれません。

運転資本が一番必要なのはナガワ。このことからも、ナガワが資産の現金を多く保有しておきたい理由がなんとなく見えてきます。

CCCも110日と、商品が売れた後、代金が入ってくるのに4カ月必要。 三協フロンテアは2か月ですから、ナガワがより現金を溜め込んでおきたいという気持ちは分かります。

減価償却費、キャッシュフローなど

三協フロンテアは資産(主にユニットハウスのレンタル資産)を多く抱えているため、減価償却費では他社を大きく上回っています。

ただし粗利に対する比率は東海リースが多くなっており、その分だけ利益を圧縮していると言えます。

また利益の質を表すアクルーアルは、どの企業もマイナスとなっており、損益計算書に現れる利益額よりも現金を生み出している経営を行っていることがわかります。

一番設備投資を行っているのは三協フロンテア。 この業界では資産がどれだけあるか?によって売上は大きく依存するので、 今後もこの差は大きくなっていくことが予想されます。 

などなど、上記の状況を総合的に判断して、三協フロンテアは他の競合他社より優位だ、と私は思っています。

今後とも定期的に競合他社との比較を行い、自分の描くストーリーにずれがないか、メンテナンスしていきたいです。

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