三協フロンテアの競合他社である、ナガワの銘柄分析のまとめを行いました。参考になれば幸いです。
この記事のポイント!
- 長期投資に適しているか?企業について評価!
- 長期投資に欠かせない、経済的な堀があるかどうかがわかる!
- 現在の株価が割安か?PER・ROE・EPSの点から評価!
- ROE・EPSの実績から考える、5年後の株価予想!
今回のまとめでは、以下の書籍の計算方法を参考にしています。(バフェット氏も判断基準の一つとしている「経済的な堀」の概念もわかりやすく書いてます!)
興味のある方は是非読んでみてくださいね!
ナガワってっどんな会社?
ナガワの主な事業は以下の通り。
- ユニットハウスの製造・販売・レンタル (利益の89.2%)
- モジュールシステム建築施工・販売(利益の9.7%)
- 建設機械の販売・レンタル(利益の1.1%)
三協フロンテアと同じく、ユニットハウス販売・レンタルが主事業。
最近力を入れているモジュールシステム建設とは、ざっくり言ってしまえば「でかいハコモノ」 を「短い工期で」作ることのできる建設方法。プレハブの応用版と言っていいかもしれません。
また、株主優待にチカラを入れているのでも一部で有名、かな?二年保有すればクオカード25000円分というのは、なかなかお金かけてますね。


企業セイセキは?
特徴としては、
- 毎年少しずつではあるが(3%程度)売上が上昇している。
- 営業利益率が12%から15%とそれなりに高い。
- 自己資本比率が90%を超えていて、借金をほぼしていない。
ということでしょうか。
企業評価
9つの項目から評価を行っています。長期投資に適した企業かどうか?が判断基準(独断)です。9角形が大きいほど、バランスの取れた良い企業、ということになります。
項目 | 点数 | 評価理由 |
業績成長性 | 2 | 毎年3%ほどの低成長を続けている。 |
財務健全性 | 10 | 借金がほぼない。会社の方針として今後もあまり借金をしない方針っぽい。 |
CF健全性 | 5 | 営業CFと投資CFがほぼ相殺。営業CFをもっとプラスにできるかどうかが今後の課題。 |
配当・自社株買い | 4 | 配当性向は30%程度と一般的。株主優待を優遇することで、株主数を確保できている印象。 |
事業コスパ | 3 | 工場を持ち、なおかつ設備投資をしていかないといけないので、コスパとしてはそこまで良くない。 |
事業効率性 | 2 | 借金をしていないこともあり、事業の効率性は低め。 ROE も6%台。 |
事業理解性 | 5 | モジュール建設・ 建設機械の販売などがあるが、メインはユニットハウス。カンタンに理解することができる。 |
事業集中性 | 6 | ほぼほぼユニットハウス事業がメイン。 |
インフレ耐久性 | 3 | 特にブランド力もないので、価格競争に巻き込まれそう。耐久性があるかどうかは分からない。 |
合計 | 40/90 | 長期投資の観点から考えると、ちょっと投資は避けたい。 |
財務健全性
なんか極端に借金することを嫌っているという感じです。「経営的には現状維持で行きたい」というような意志を感じます。
製品にものすごいブランド力があり、「今後も同じように売れ続ける」という確信があるなら、現状維持の方針もアリです。
日本を災害が多い国で、「ユニットハウスは災害に大活躍する」という点からも、無理に成長しなくていいのかもしれませんがね。。
ただまぁ、 時代に取り残されちゃうような気もします。。。
経済的な堀評価
この企業は「経済的な堀を持っているか?」ということを表しています。5角形が大きければ大きいほど、「ほぼ独占的な」企業であることを示します(独断)
項目 | 点数 | 評価理由 |
無形資産Intangible Assets | 3 | ナガワのユニットハウスは、特にブランド力があるわけではない。 |
乗換コストSwitching Cost | 2 | ユニットハウスは三協フロンテア・東海リースなども販売しているため、簡単に乗り換えられてしまう。 |
ネットワーク効果Network Effect | 0 | 特にネットワーク効果が生まれることはない。 |
コスト優位性Cost Advantages | 4 | すでに全国にある程度工場があるため、新規参入してくる会社よりは有利。 |
規模優位性Size Advantages | 3 | ユニットハウス販売・レンタルにおいて、ある程度の規模優位性はある。 |
「経済的な堀は思っていない」と判断しています。
長期投資適性判断
長期投資に値するかどうかを、今までのEPS、ROEの実績、直近の PER で考えてみます。(独断)三角形が大きいほど、長期投資に適していると考えます。
項目 | 点数 | 評価理由 |
EPS:成長性 | 3 | 安定成長をしてはいますが、3%程度。そもそもインデックスにすら勝てません。 |
ROE:効率性 | 3 | 一般的な日本企業と同じぐらいの安定度なのでわざわざ選ぶ意味がない。 |
PER:割安性 | 0 | 直近では50倍程度になっています。実力よりかなり買われている印象… |
ここ数年で PER が倍増しており、かなり割高だと感じています。ここまで買われたのは、株主優待が受け入れられてきたからでしょうか…?
PER50倍と言う期待に、どこまで応え続けられるか。このまま低成長が続けば、株価は維持できないと思いますが…
5年後の株価予想
過去5年の ROE と EPS から、「5年後の株価がどうなっているか」予想してみました。※独断と偏見に基づくただの予想です!
上の予想は、ナガワがこれまで残してきた実績に基づくものです。
つまり、ROE と EPSの伸び率が今の状態を維持できるなら、5年後にはこんな感じの株価になっているだろう。という予想です。
5年後の株価は下がっていると予想します。
- ROEの平均も6%程度なので、それほど効率的に成長できていないこと。
- PERが約48倍と、現在の水準がかなり高いこと(維持できないかも)
というのが主な理由です。
またEPSも年によってややバラつき、予想してもあまり意味がないので載せていません。安定したセイセキを残せていないのが難点ですね。。。
まとめ
以上から、私の独断と偏見による長期投資できるかどうかの判断は…
とします。事業内容は理解できるし、安定して利益も確保できているようです。
ただし低成長がかなり長引いていることと、すでに株価が割高な状態なので、長期投資には向きません。
あなたはどのように考えますか?
コメント