私の財産告白 本多静六③

給与天引き貯蓄法!苦しさから逃れるための苦しさ

給料の1/4のほか、本多静六は臨時収入の100%を貯金に回した。 生活が苦しい上に、さらに苦しさを求めたので、やり始めた当初は、まったくお話にならないほど苦しかった。。。 

月末には塩コショウでご飯を済ませていたそう。大人達は耐えられたが、子供達から「また塩コショウだけ?」と聞かれるのには心を痛めたようです。

そりゃそうですよね…。子供には好きなものを食べさせてあげたい、というのは親の心情のはずです。でもすごいと思ったのは、つぎの考え方。

  • 気の毒
  • かわいそう

何てモノは単に一時的なモノ。つまらない感情の問題である。この貯蓄法を貫き通すのは、あくまでも理性が導きだした結果だと。

この頃から投資家に必要な、感情に負けない。という大事なものを持っていたことがわかります。わずか25歳にして。すごい意思です。

家族の者に対しても説明をしっかりしました。給料天引き1/4の貯金を続けていけば、

  • 3年後にはどうなる
  • 5年後にはどうなる
  • 10年後にはどうなる

ということを具体的に説明しました。今の苦しさは、苦しいことから逃れるための苦しさである。しばらく我慢してほしいと。この1/4貯金方法は決して無理なことではない。考え方を一つ変えるだけ。

例えば給料が20万円しかもらえなかったのなら、元々15万円しかもらえなかったと考えればいい。 ただ価値観を一段下げればいいだけの話。

本多静六※意訳してます

最初の方は苦しい。もともとお金がない状況だから。 でも、ものすごく苦しいのは最初だけ。最初を乗り越えれば、お金は雪だるま式に増える。だから耐えろ。ということです。

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これはお金の事だけじゃないですね。知識もそう。本を一冊二冊読んだところでは、活用できるほどの知識はつきません。ですが、数十冊・数百冊読んで行くと、

初めは、こんなもんかと思っていたこと

こういうことだったのか!

と気づく時が来ます。お金も知識も、きっと複利で増えていくのだと思います。初めはちょっとずつしか増えない。増えないから苦しい。でもいつか臨界点を超えて、爆発的に増える。そんなことを、本多静六から学ぶことができます。

ではなぜ、苦しい生活になることをわかっていながら、本多静六は貧乏を脱出しようと考えるに至ったのでしょうか?

貧乏からの脱出!恩師の教え!

本多静六が貧乏を脱出しようと思ったのは、ドイツ留学時代の恩師であるブレンタノ博士の言葉に影響を受けたようです。

ブレンタノ博士は、勤勉だがお金のなかった本多静六を憂い、次のように言いました。

「お前は勉強をよくしていて、とても良い生徒だ。ただし今までのように貧乏だといけない。お金がないがために、自由を奪われ、心にもない屈従を強いられることもあるだろう。

だから学者でも、独立した生活ができるだけの財産を作るべきだ。帰国したらぜひそのことからしっかり努力をしてほしい」

「ドイツの富豪貴族の多くは、決して勤倹貯蓄だけでその富を得たものではない貯金を貯金のままにしては、知れたものである。だから他の有利な事業に投資することが良い

明治20年代の日本においては幹線鉄道と安い土地山林である。投資によって国家社会の発展の大勢を利用せよ!」

ブレンタノ博士「私の財産告白」より引用・参考

こうしたブレンダの博士の勧めもあり、貯蓄・投資に励むことになった本多静六。さらに貯蓄で蓄えたお金を投資に回すことになります 。

このように、本多静六は25歳の時、恩師と呼べる先生に出会えました。

「若いうちにメンターに会う」ということはとても重要だと思います。かの大富豪、ウォーレンバフェットならベンジャミン・グレアムという先生がいました。それがグレアムに会ったのも19歳かそこらでしたね。

若い時の視野はどうしても狭くなりがちなもの。その視野を広げてくれる、師匠のようなものを持ちたいものです。

貧乏を乗り越えた本多静六の言葉!

本多静六はまた次のように言っています。

人間は一生を見た時に、 誰でも早いか遅いかで一度は必ず貧乏を体験すべき。ほとんどの人は一度は貧乏生活を経験する。それならば早く経験しておいた方が良い。

貧乏に苦労して、また貧乏に苦労し抜いてこそ、人生の意義や物事の価値、認識を一層深めることができる。

本多静六「私の財産告白」引用・参考

逆に貧乏したことのない人間は、本当の人生の値打ちが分からないし、生活の向上を目指していく努力、そして、その幸福は生じえないと言っています。

また貯金生活を続けていくうえで、敵になるのは虚栄心である、とも。

多くの人は、たとえ自分にお金がなくても、お金があるように見せたい。大金持ちのように、何十万円もするブランドものを買ってしまう。何百円何千円のものでも、自分の必要以上に、いっぱい買ってしまう。そういった、

  • 見栄を張りたい
  • 欲望を満たしたい
  • 周りの羨望を集めたい

という人の気持ちが、節約の邪魔をする。そんな人の虚栄心について、本多静六は次のように言っています。

自分の値打ちが銀もしくは銅でしかないのに、くらしの方は金にしたい。もしくは金メッキでもいいから、金に見せかけたい。

人生をより安全にし、生活をより健全にしようとするならば、実力以下の道なり、銅・鉄の生活から出発していくべきではないだろうか。

本多静六「私の財産告白」引用・参考

「人生をより安全にする」

グレアム・バフェットの「安全域」の考え方にも通じるところがあります。生活を送る上で、必要なお金を取っておく。いつでも取り出せるお金を取っておく。投資における安全域を作っておくことと同じですね。

とても共感を覚えます!

まとめ!!

  • 将来の貧乏にならないために、今貧乏を経験する!
  • 自分の人生の柱となる考え・メンターに出会う!
  • 虚栄心を捨て、人生を安全に過ごす!

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