ロードスターキャピタルのリスク分析!東京に大地震が起きた時②

首都直下型地震ー建物倒壊のリスク 

前回の記事に続いて、今度は建物の倒壊についてのリスクも考えてみましょう。首都直下型地震は、読んで字のごとく東京中心部で起こる地震。建物は大丈夫なんでしょうか??

首都直下地震 被害想定 死者約2万3000人|災害列島 命を守る情報サイト|NHK NEWS WEB

上記、NHKのウェブサイトをもとに推定被害をまとめてみました。

想定される被害のまとめ

推定死者数23,000人
火災による推定死者数16,000人
推定マグニチュード7.3
推定最大震度7(江戸川区・江東区)
全壊する建物(推定)約200,000棟
焼失する建物(推定)約412,000棟
NHKのウェブサイトよりAlopur作成

なんと、全壊または焼失する建物の総数は、1923年の関東大震災を大幅に上回ると予想されています

また、火災により焼失する建物を見てみると、約41万棟と推定されています。「あれ?前の記事でオフィスビルは火災に強いって言ってなかった?」

…むむむ。間違いだったんでしょうか??

もう少し細かく見てみましょう。上記ウェブサイトには、内閣府が2013年に出した、被害想定マップというものがが掲載されています。

この被害想定マップには、

  • 震度分布
  • 建物倒壊
  • 建物焼失

の想定が、カラー(等高線図/コンター図)で表されています。実際にみてみましょう。

震度分布想定マップ

内閣府被害想定(2013)より

まずは震度。推定最大震度は7(江東区)。また都心を中心に震度6強が想定されています。

次に、建物倒壊・消失被害のマップを続けて見てみましょう。

倒壊被害想定マップ

焼失被害想定マップ

上の2つのマップの共通点はなんでしょうか?…そうですね。はっきり言えるのは、皇居を中心として、都心の被害が圧倒的に少なくなること、です。

こまかく見てみましょう。

まず、倒壊被害想定マップ。

真ん中より少し左。全く色が付いていない空間があります。これが皇居です

その周りの都心5区と呼ばれる、千代田区・中央区・港区・新宿区・(渋谷駅までの)渋谷区においては、倒壊件数が5件から10件の間と想定されています。

次に焼失想定マップ。

倒壊想定マップよりもはるかに分かりやすい。都心5区全くと言っていいほど、焼失を免れていることがわかります。 

都心五区はオフィスビル中心の地域。前の記事で考えた、「オフィスビルは火災を防げる」という仮説。ほぼほぼ合っているんじゃないかな。

さらに倒壊件数。東京にあるオフィスビル約9,100棟のうち、「旧耐震基準」の建物は約2,300棟あります。

倒壊のリスクとして真っ先に挙げられるのはこの「旧耐震基準」の建物。都心5区に関して言えば、 そこはオフィスの供給が激しい街。ほとんどのビルが新耐震基準であると考えられます。

以上より、「都心5区は建物・倒壊のリスクが低い」と考えられます。

皇居は昔の江戸城。直下型地震が起きたとしても、皇居の周りの建物が倒壊せず、焼失しないように配置されている。築城から受け継がれてきた歴史を感じさせます。

ブラタモリならここから歴史の話に行きそうですが…笑、ここはアロエラボです。投資の話を続けます。笑

ロードスターキャピタルの戦略:都心五区を確保せよ!

ここまで、 直下型地震が起こった時の被害について考えてきました。そして皇居の周り、都心5区なら、被害が最小限に抑えられると推測できました。

じゃあ「ロードスターキャピタルが保有する不動産はどこにあるの?」というのが気になるポイント。ホームページに公開されている保有物件をまとめてみました! 

No.ビル名称都/県以下住所
4新横浜ミネタビル     神奈川県横浜市港北新横浜二丁目3番地19
5横浜伊勢佐木町ワシントンホテル(区分)神奈川県横浜市中長者町五丁目53番
1CORNES HOUSE東京都芝三丁目5番1号
13イイダアネックス東麻布東京都東麻布一丁目26番7号
14千代ビル東京都芝五丁目16番1号
15クレイン虎ノ門ビル東京都虎ノ門三丁目20番5号
23芝大門116ビル(区分)東京都芝大門一丁目16番3号
11BXIビル 東京都渋谷南平台町13番10号
17恵比寿フロントビル東京都渋谷恵比寿一丁目7番12号
19クリスティエビス東京都渋谷東三丁目17番14号
20FLEG恵比寿secondo東京都渋谷恵比寿西二丁目8番13号
9プライム高田馬場四丁目ビル   東京都新宿高田馬場四丁目39番7号
24ナルコビル(区分)東京都新宿西新宿八丁目4番1号
3カンダエイトビル東京都千代田外神田四丁目6番7号
8プライム水道橋ビル   東京都千代田神田三崎町二丁目21番2号
10プライム岩本町ビル   東京都千代田岩本町一丁目6番3号
16A・Plaza御茶の水ビル東京都千代田神田駿河台三丁目2番地6
21藤井ビル東京都千代田神田佐久間町三丁目15番地
22エヌ・エービル東京都千代田岩本町二丁目1番8号
6プライム末広町ビル   東京都台東上野一丁目1番12号
12城南島倉庫東京都大田城南島二丁目9番9号
7三菱ふそう板橋営業所東京都板橋東坂下二丁目13番7号
2プライム茗荷谷ビル   東京都文京小石川五丁目5番5号
18AS ONE東池袋ビル東京都豊島東池袋三丁目7番9号
20210809 ロードスターキャピタルホームページより、Alopur作成…疲れた…!

所有物件としてホームページに公開されていた24物件中17物件港区・新宿区・千代田区・渋谷区に含まれていました!

また都心5区に隣接する台東区・文京区まで含めれば19物件になり、ほぼ8割の物件が、「倒壊・焼失のリスクが低い」と言えるかもしれません。 

今までロードスターキャピタルが都心5区の不動産を集中的に買い集めていたことは知っていました。それはただ単に「流動性が高いので、いざという時に売買がしやすいから」だけの理由だと考えていました。

しかし、耐震性の観点から見ると、都心5区の不動産は圧倒的に倒壊・焼失のリスクが低いことが今回わかりました。

ここまで考えて仕入れを行っているのなら、「ロードスターキャピタルの目利き・リスクアセスメントは本当に素晴らしい」と言えます。

…底知れない凄さを感じました。

まとめ

  • 首都直下型地震は、関東大震災(1923)を上回る規模の被害を想定
  • ロードスターキャピタルは都心5区で約80%もの不動産を買い集めている!
  • 皇居周り・都心5区の不動産は建物倒壊・焼失のリスクが低い
ちなみに

ちょっと思ったんですが、2021年12月期第2四半期の決算説明資料の中に、現在保有する物件は26件とあったんですが、ホームページに載っている物件は24件でした。 ひょっとしてもう売ってるんですかね…? 

コメント

  1. […] でもその直下型地震に対しても、ロードスターキャピタルは都心五区のビルを買い集めることで、リスクを低減させていました。(なぜ低減できるのか?はこちら。) […]

  2. […] […]

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