アプライドの同業他社である HPC システムズの決算発表が行われたので、今回はその内容を見てみます!
「同業他社を調べれば、保有銘柄のことががもっとわかるよ!」とバフェットさんが教えてくれたので、それを実践してみます!早速見てみましょう!
経営成績
2021年6月期経営成績概況
素晴らしい!売上高23%増!営業利益41.6%増! PER29倍の期待に応えるような素晴らしい内容です!何が良かったんでしょうか?
決算書の概況では、2段落目に「会社がどうだったか」ていうことが書いてあるのでしたね!内容を追ってみます。
大雑把に言えば、「 AI とかディープラーニングとかの技術が発達したおかげで、コンピュータが結構売れている!」ということ。どこに売れたかと言うと、
- 大手小売向けのパソコンショップ
- 大学とか研究機関
- 研究とかをする民間企業
という風に書いてます。またコロナでウェブミーティングをするようになったから、経費を削減できた!2020年10月からめっちゃ業績が回復した!とのこと。
またそのすぐ下には、「顧客の旺盛な需要」と書いており、今後の業績に期待させます。ここまでいい感じですね!
セグメントごとにも結果報告がありました!
HPC事業
HPC とはハイパフォーマンスコンピューティング、つまり「めっちゃいい性能のパソコンを売る」お仕事になります。アプライドも主力です。
ここでは「急速に需要が回復」「大学とかに大きく売れた」「民間も堅調」といい言葉が並んでいて、去年よりも売上が24%、利益が65%!増えたそうです!調子いいですね!
CTO事業
CTOとは、受注仕様生産、つまり「セミオーダーでパソコン作って!」という事業。(ざっくりね)。
ここは売り上げは23パーセント増でしたが、利益は2%増と効率が悪くなっちゃった。理由は継続のお客さんが減った事とかいてます。ここはちょっとマイナスかなー。
貸借対照表/BS
資産の部
ツヅキマシテ貸借対照表。資産とか借金とかを見てくよー。
見た感じおっきな所は、
- 現金が3億円ぐらい増えているなあ
- 原材料及び貯蔵品が1億円ぐらい増えてる
- 前渡金が1億円ぐらい増えてる
といったところ。
原材料が増えているのは、「まあ需要が旺盛だから先に入れといたのかな?」というカンジ。前渡金は「商品を受け取る前に払ったお金」なので、お金を払って先に何かをおさえといたのかな?
私が想像できるのはこのぐらいですかね。 特に良いも悪いもないといった印象です。
負債の部
そんで負債の部。
- 買掛金が増えていたりが約1億円
- 短期借入金返しているのが約1億円
- 未払法人税で8000万円増えてる
- 長期借入金で2億円増えている
まあ色々あって合計で3.5億円くらい負債が増えているのが分かります。
お金を長期借入金で借りているので、「事業を拡大したいのかな?そういえば中期経営計画も出ているし」という印象です。
成長を続けてくれるならオッケー。これも良い悪いはあまりわからないですね。
損益計算書/PL
一番最初に見たように、売上、 営業利益ともに増加しています。
ただ、四半期単独の営業利益を見ると、マイナスなんですよね。。。
なんでだろう?と想像してみると、 HPC システムズのお客さんは、「大学とか研究機関」。そういうところは大体国からお金をもらっている。それで予算を組む。
そうすると年度末に予算を合わせるところが多いわけです。多分3月とか。道路工事が3月とかに多いのと一緒ですね。
現に第三四半期に最高の利益率を出しているのを見る限り、多分当たってるんじゃないかな。去年も同じ時期に儲けていたし。
だから4月から6月にかけては、「パソコンを売るよりも、経費の方がかかっちゃった」っていうことです。あまり良くはないですねー。
今後の成長においては、「大学とか研究機関がパソコンを買ってくれない時に誰に売るか」が重要になってくるかもしれません。
市場にいる投資家は、不安定な利益をあんまり望まないので。
キャッシュフロー計算書/CF
とりあえず大きなところだけ。
短期借入金を返して、長期借入金が増えているのは、個人的には良いことだと思います。短期で借りると金利が高いからね。多分。
そして自己株式の取得にもお金を使っていることは、個人的にはプラス。株主思いだと思います。なんとなくアメリカの企業に近いっぽい。(米国株に投資してないけど)
気になったところはこんなもんかな? 現金が増えたのは法人税とか抑えたところも結構大きそう。ざっくり見た感じだけど。
セグメントごとの業績
これで業績に関しては最後。
保有銘柄のアプライドと比べることになりますけど、HPCの利益率が12.5%ぐらいあってうらやましい!笑 「アプライドよりも付加価値をつけて売っている」ということがわかります。
CTO事業もなんやかんや利益率が10%ぐらいあってこれもまぁアプライドよりはいいですね。
業績で見れば、「アプライドよりもHPCシステムズさんの方がうまくやっている」というような印象です。
今後の見通し
さて、 決算発表のメインイベント!来期の業績についてです。何パーセント増だろう?
おや、10%増益か…。いやもちろん成長しないよりは、成長していていいとは思うんですが…。
HPC システムズの PERは29倍。自分が29倍のPERの銘柄を買うなら、20%から30%は増益して欲しいところ。最低でも。
10%だと投資家の期待値に届かないんじゃないかなあ…と少し心配。(持ってないけど)
利益率もアプライドよりも良いとは言え、11%を少し超えるぐらい。優位性があるとも言いづらいなあ。
自分なら、やっぱり割安さでアプライドに投資します…。アプライドは PER 4倍台ですからね。投資家の期待に添えなくても、株価の下落リスクは低いから(より安全)。
まとめ
- 今季の成績は営業利益40%増と素晴らしい伸びだった!
- ただ、四半期単独では、マイナス成長だった…。
- 来年10%成長では、投資家の期待に答えられないかも…。
アプライドの決算も良かったわけではないですが、相対的にここよりも株価は下がらない気がします。 HPC システムズはちょっと下落リスクがこわいです…。
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