アルデプロその②

昨日に引き続き、アルデプロの銘柄研究を続けていきます。2021年7月期の決算説明資料を続けて読み込んでいきます。

貸借対照表に関する説明

要約の貸借対照表では、負債が順調に返済されているということを強調していました。 

というより2018年は、250億円も負債があったんですね。そのうち約160億円が短期借入金…。

物件を売却することで得た利益によって借入金を返済。今期では約43億円にまで圧縮することができている。また今後も40億円程度に借入金を保っていきたいと。レバレッジを掛けながらの経営は続く、ということですね。

ここまで見ると、3年前より財務が健全化してきたことが見て取れます。一点気になることを上げるとすれば、貸借対照表上の「長期貸付金」約12億円に関する言及がなかったこと。 

21年7月期決算短信より

去年から11億円ほど急激に増えているので、ちょっと気になったところではありますが… とりあえず様子見とします。

長期借入金を返済することで、当然自己資本比率も上昇しています。会社としてのご希望時は30%以上ということですが、今期は45.3%と目標値を上回っています。

自己資本比率を高めているのは、

  1. 銀行から借り入れを増やしたい
  2. 新規の金融機関とのつながりを構築するため

ということだと理解します。

次のスライドでは不動産業界の比較を行なっていました。要するに「他の会社とはここが違う」というアピールをしている、というふうに捉えています。

ROE,ROAが共にすさまじい値となっていますが、これを継続できるかが重要ですね…ウォッチが必要。これを継続できるなら、10倍株も夢ではない…かも。

その他、期中のトピックスとして、

  1. 自社株の取得
  2. 取締役の自己株取得

が挙がっていました。発行済株式数 33700万ありますから、1400万なら、4%をぐらい、ですね、今の株価が安値で放置されている。みたいなメッセージにも取れなくはないですが。

また、取締役4名の株式取得は、会社から資金を借り入れて行っていると動画の最後で説明がありました。先ほどの貸付金12億の内、2.5億はこれでしょうかね。株主にコミットするためという思いは伝わります。

また翌期から連結の子会社を生産し単体決算へ移行するそうです。バフェットコード上で PER の表示がなかったのは多分このせいですね。

気になる業績の予想は、増収増益。ただ営業利益率は15%を下回っていますので、ここら辺にも注視する必要アリ。ただ売上の成長も見込んでいますし、今期中には3カ年計画も策定されるそうなので、意外と自信があるのかも。

中期経営計画の策定については、常に100億円程度の在庫不動産の保有を目指し、 なおかつ年間2回転以上の在庫回転を目指す。とあります。最低限売上を200億円以上に保つ、ということですね。 じゃあどんなビジネスで200億円を売り上げていくのでしょうか?

アルデプロのメインビジネス

メインビジネスについて見ていきます。 

アルデプロのメインビジネスは上のスライドの通り、

  1. 再開発アジャストメント事業
  2. 再活事業

の2種類に分けられます。

1に関しての基本スキームは上のスライドの通り。基本的に古いビルを取得します。しかし実際の狙いは土地。東京都心3区もしくは東京都5区のポテンシャルの高い土地をターゲットとしているそう。

都心の大規模開発が行われている商業エリアで、古くから残されているビル。それをうまく買取り、住民やテナントを他の土地へ退去させた後で、土地を取得。それをデベロッパーに売却することで利益を得ます。

2のスキームは上のスライドの通り。ビルを取得し、場合によってテナントなどを退去させるまでは1と同じですが、その後ビールをバリューアップし、高値で売却できるようにして売却することで利益を得る。というモデル。

2に関してはロードスターキャピタルと同じような事業モデルといえます。しかしロードスターキャピタルがしばらく(長ければ数年)保有して不動産賃貸収益を得ることもあるのに対し、アルデプロは平均4から6ヶ月で売却を目指すというビジネスモデルです。

在庫回転率を上げた方が、儲けられる!という自信から来るものでしょう。 

売上高推移を見てみると、

  1. 土地の売却で6件
  2. ビルのバリューアップで11件

となっています。ロードスターキャピタルと比較すれば、彼らの年間売却物件数は多くても10数件であるので、アルデプロがいかに在庫を回転させているかがわかります。

ただ再開発アジャストメント事業が利益の柱という風に位置付けており、不動産再活事業はあくまで在庫回転率の柱としての位置付けだそうです。

再開発アジャストメント事業を推進する理由として、上記の四つの理由を挙げていました。

競合他社があまりいないブルーオーシャンであること、 デベロッパーに直接売却するためにマージンがかからずなおかつ早く売れること、デベロッパーからの情報提供が多いこと。 

上記を見ると確かに、とは思います。不動産の権利調整なんてかなり面倒でしょうから、競合他社が少ないのも分かります。ただ、土地の買収売却がどうなるかは、先の見えにくいビジネスだという印象はなかなか拭えません…

ただし市場規模という面から見ると、アルデプロの行う事業は今後も有望だと思えます。市場規模に関する説明も決算資料の中にありました…

つづきます。

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